特に説明するまでもないと思いますが、結論から書くと・・・
【ISO9001:品質】の認証取得くらい です。
“塗装屋” “塗装業” に必要な資格というか認証なのですが、事業者が取り組んで然るべき規格です。
下記はJABによる規格の説明です(リンクで該当ページを開きます)。
さて、住宅塗装,外壁塗装(塗り替え)は『半製品』です。
半分は塗料メーカーの『塗料製品』であり、残りの半分が『塗装技術と現場管理能力』です。
ここで大事なのは
塗装技術と現場管理能力の比は【2:8】
になると言うこと。
職人の技術が 100点満点 だとしても、管理能力が0(ゼロ) だと・・・総合点を付けるならその工事は製品性能を満足する事の出来ない 50点 に満たないでしょう。
すなわち、
【その工事の是非は現場管理能力に大きく依存する】
という事です。ここでお伝えしたいのは、
ISO9001認証を取得しているから確かな工事ができるという事では無く、確かな工事を全ての案件で満たそうとする企業は必然的に取得している
という事になります。
ご検討中の施工店では認証を得ていますか?
とは言っても、職人や管理者個々の技術も重要です。
その中でもあえて挙げるとすれば
- コンクリート診断士
- 一級建築施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
- 一級塗装技能士
ABは文字通り、現場を監督するうえで各分野の施工に於ける知識と経験を必要十分に積みあげた者が受験して得られる資格です。二級以下は誰でも取れるようなもの なので わざわざ自慢げに書いている業者は無い と思います。
塗装というとその技能や知識に意識が向いてしまいそうですが、現場管理できて こそ はじめて塗装職人が 活きる のです。前の項でも『段取り八分』と書きましたが、読んで字の如くです。
職人は手を動かし効率よく作業する事に従事し、管理者はそれらが過不足なく滞りなく潤滑に立ち回れるよう手配する。それぞれに役割があり、この段取りを行うのが管理者なのです。
管理者は一日中一つの現場には居ませんが、一日中どこかの現場の誰かと翌日以降の段取りを進め、その日までに起きている事を整理し、記録しているのです。
Cは塗装職人が持っていて然るべき資格です。ただ、これを持っているからと言って 特別優れた技術 があるというようなものでもありません。『塗装作業に関する最低限の知識と常識は持っている』という程度のものです。
これを書いている私個人としては、塗装技能士と合わせて『危険物(甲種)』や『毒劇物取扱責任者』の資格を持っていると「技術の優れた職人なのだろうな」と思います。何故か・・・
塗装というものは、ただ『入れ物の缶から出して壁や屋根に塗料を配る作業』ではないからです。
塗料とは、メーカー技術者が「○○の場合はこのように対応し、△△の場合はこういう事を考慮して」等と試行錯誤の末に出来上がった “化学の粋” だからです。
他の項で “塗料は着色した接着剤” という言い方もしましたが、接着剤が接着する条件は、
- 電気的(静電気的)に
- 物理的に
- 化学的に
これらの資格を有していると、作業中にマニュアルや標準仕様でまかなえないような状況に直面した際、『条件的なタブー(行ってはいけないこと)』や『この条件なら間違いない』と判断出来る幅が広くなると同時に、最適解を最短で導くことができるという可能性が非常に高くなるであろうと考えられるからです。
こんな職人さんとはなかなか出会えませんが、もしお心当たりがあればご紹介頂けると幸いです。